高い利息を払っていた人は過払い金の返還請求で完済

2006年の貸金業法の改正でグレーゾン金利が撤廃されることになりましたが、それ以前の高い利息で借りていた期間の長い人は払い過ぎていた分を返還してもらうことができます。いわゆる「過払い金請求」といわれているものですが、すでに完済してしまった人でも返還を請求することができます。

例えば、50万円を29%で借りていた人の場合、1年間の利息は14万5千円ですが、本来の利息制限法での利率18%で計算しなおしますと9万円になります。この差額の5万5千円分が払い過ぎていた過払い金となり、戻ってくるというものです。仮に、これが10年間分となれば、例えばの話ですが55万円ということになります。

ですので、年数が長ければ長いほど多くの過払い金が発生していている可能性がありますし、また借りていた金額が大きいほど多くの過払い金が発生している可能性があります。実際の例でいいますと、借金を返済中だった人が過払い金の請求をすることにより、1000万円以上が返還され、借金がなくなった上に貯金ができたという方もいらっしゃいます。

もちろん、数万円という人もいますし、まったく戻ってこないケースもありますのでケースバイケースです。

ただ、最後に取引のあった日から10年が経過していると時効になりますので、数十年前に既に完済してしまったなどの人の場合は当てはまりませんのでご注意ください。もし、時効になってさえいなければ、数十年分でも返還請求することができます。

この過払い金の場合は、単に払い過ぎていた分を調節してもらうだけですので、ブラックリストに載ることもなく、信用情報にキズが付くこともありません。いわゆるブラックリストというのは、返済が滞った人に対するものですので、既に完済済みの人には何ら問題はないのです。

高い金利で多額の返済をずいぶん長い間払っていたけど、数年前に完済したよという人の場合、ある程度の金額が戻ってくる可能性が高いです。

けれども、現在も借金が残っていて、まだ返済中の人の場合は多少、複雑になります。

もし、払い過ぎていた分を差し引いたら借金が全て消え、逆にお金が戻ってくる状態ならよいのですが、差し引いてもまだ債務が残るようでしたら、「債務整理」という形になり、いわゆるブラックリストにのる可能性もあります。その場合はそれ以降、新たに借金がしずらくなるかもしれません。

ただ、この場合でも、既に完済してしまった会社からの過払い金を受け取り、その過払い金でまだ返済中の会社へ一括返済できる可能性もあります。いずれにしても、利息制限法以上の金利で支払っていた期間の分が返ってくることになりますので、正確に計算してみることをおすすめします。

この過払い金の返還請求についてですが、消費者金融各社ではかなりな負担となっており、武富士などのように倒産してしまったケースもあります。もし、倒産してしまった場合には、それ以上、返還請求することができなくなりますので、はやめに対応されることをおすすめします。過払い金が発生している事と、それを取り戻せるかどうかというのは別の話です。たいていは、発生した過払い金のうち、5~8割程度が一般的なようですが、この割合は減少傾向にあるようです。

消費者金融会社には独立系といわれる会社と銀行系といわれる会社がありますが、銀行からの支援をうけることができる会社は比較的、対応もスムーズにいくようですが、独立系といわれている会社の場合は対応に時間がかかったりもするようです。

もし、ご自身で請求するのが難しい場合には、弁護士などへ相談されてみることをおすすめします。初期費用なしで、発生した過払い金の何割かを成果報酬として支払う形で依頼されてみるとよいでしょう。